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外交・安全保障時事の論点

非核三原則を見直し、核共有の公式検討を開始すべきか

更新 2026-06-15AIにより自動生成・整理

この論点の背景

2025年11月、高市早苗首相が国会答弁で非核三原則の「堅持」を明言せず、核兵器の「持ち込ませず」原則の見直し論が政権内で浮上。ウクライナ侵攻や北朝鮮の核開発を背景に、NATOの核共有モデルを参考とした公式議論の開始を求める声が一部与野党から上がり、被爆国の国是と安全保障の実態が問い直されている。

争点ではない、共有された事実

  • 非核三原則(持たず・つくらず・持ち込ませず)は1967年1月に佐藤栄作首相が国会で表明し、1971年11月24日に衆議院本会議の決議で国是として確認された。
  • NATOの核共有(ニュークリア・シェアリング)では米国が核兵器の最終使用権限を保持しつつ、ドイツ・イタリア・ベルギー・オランダ・トルコの5か国が平時から核計画の協議・作戦訓練に参加している。
  • 日本は核兵器不拡散条約(NPT)に非核兵器国として加盟しており、同条約第2条は核兵器の製造・受領を禁止している。
  • 高市早苗首相は2025年11月の参院予算委員会で三原則を「現段階での政府の方針」と表現し、従来政府が使ってきた「国是」「堅持」という言葉を用いなかった。
  • 自民党安全保障調査会長の小野寺五典氏は2025年12月、三原則の在り方は「議論すべき課題の一つ」と発言した。

それぞれの立場(対等に提示しています)

三原則を堅持し、見直しに反対

非核三原則は国会決議で確認された国是であり、一内閣の判断のみで変更すべきでない。唯一の戦争被爆国として核廃絶外交を主導する立場を守ることが重要。

この立場の主な根拠

  • 三原則は1971年の国会決議で繰り返し確認されてきた国是であり、変更するなら最低限、国民的議論と国会の関与が不可欠。内閣が一方的に変えることは民主的な正統性を欠く。
  • 日本の核廃絶外交における国際的信頼は三原則の堅持を前提としており、これを崩すことで核不拡散体制への働きかけや被爆国としての道義的発言力が大きく損なわれる。
  • 日本国内に米核兵器が配備されれば、有事においてその施設が攻撃対象となるリスクが新たに生まれ、抑止力の向上より安全保障上の脆弱性の増大をもたらすとの見方がある。

この立場への主な反論・懸念

  • 北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の核戦力増強など、安全保障環境が劇的に変化した現実への対応策を封じ、日米同盟の抑止力強化の議論を妨げるとの批判がある。
  • 「議論すらタブー」とする姿勢が民主主義的な政策論議を制約しているとの指摘があり、現状認識の更新なしに原則だけを維持することへの疑問も提起されている。

「持ち込ませず」原則に限り公式議論を開始すべき

「持たず」「つくらず」は維持しつつ、「持ち込ませず」についてのみ核共有の可能性を公式に検討する。NATOの事例を参考に米国との拡大抑止協議を透明化することで同盟の実効性を高める。

この立場の主な根拠

  • 「持たず」「つくらず」を維持することでNPTとの整合性を保ちながら、「持ち込ませず」のみを見直す段階的アプローチは、三原則の全廃より現実的な中間案となりうる。
  • NATOの核共有モデルでは核の最終使用権限を米国が保持するため、日本が独自に核武装するものではなく、拡大抑止の透明性向上として位置づけることができるとの議論がある。

この立場への主な反論・懸念

  • 「持ち込ませず」の修正は事実上、三原則全体の崩壊への入り口となり、最終的に核保有論議を正当化する「なし崩し」になりかねないとの懸念がある。
  • 半世紀以上にわたって国内外に示してきた原則の一部であっても変更することで、国際社会、特に近隣諸国との外交関係に悪影響を及ぼす可能性がある。

三原則を包括的に見直し、核共有の公式検討を進めるべき

変化した安全保障環境に対応するため、非核三原則の包括的な見直しを行い、米国との核共有協議をNATOと同様の形で公式に開始すべきとの立場。

この立場の主な根拠

  • ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮の核開発、中国の急速な核戦力増強を受け、「核の傘」の実効性を担保するには、平時から核計画の協議に参加するNATOモデルが有効な選択肢となりうる。
  • 相手国に対して核攻撃の代償を明確に示すことで核使用の敷居を上げる効果が期待でき、口頭の「拡大抑止」よりも協議への公式参加の方が抑止の信頼性を増すという議論がある。

この立場への主な反論・懸念

  • 唯一の戦争被爆国としての歴史的・道義的立場と国際的発言力を大きく損なう。広島・長崎の被爆者団体や被爆地の地方自治体からは強い反対が示されている。
  • 中国・韓国をはじめとする周辺国の警戒・反発を招き、東アジアの核軍拡競争を加速させるリスクがある。また、NPT第2条との法的整合性についても議論が避けられない。

各政党の立場

公約・国会答弁など公開情報に基づく事実として整理しています。党内で意見が分かれる場合は その旨を注記しています。情勢により変わるため、最終更新日(2026-06-15)時点の情報です。

三原則を堅持し、見直しに反対 に近い立場

「持ち込ませず」原則に限り公式議論を開始すべき に近い立場

  • 自由民主党高市早苗首相は2025年11月の国会答弁で三原則を「現段階での政府の方針」と述べ「堅持」を明言しなかった。安全保障調査会長の小野寺五典氏は三原則の在り方を「議論すべき課題の一つ」と発言。特に「持ち込ませず」原則の見直しについて党内で議論が進んでいる。党内には見直し積極派と、被爆地・世論への配慮から慎重な議員が混在しており、党として公式に核共有の推進を決定したわけではない。出典:時事ドットコム「自民、非核三原則『議論すべき課題』」2025年12月21日
  • 日本維新の会非核三原則の見直しについて「タブー視せずに議論を始めるべき課題」との認識を示し、米国との核共有議論の開始を政府に求めてきた。2025年12月には高市政権との与野党協議に積極的な姿勢を見せている。三原則の全面的見直しには慎重な議員も一部おり、「議論開始」にとどめるべきとの意見もある。出典:時事ドットコム「自民、非核三原則『議論すべき課題』」2025年12月21日(維新・前原氏発言含む)

参考・出典

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